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裏切られなかった美術展と… [趣味関係]



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 ↑ 京都での展覧会の公式から勝手に拝借。

で、改めて検索してみたら、東京の公式の方が盛り沢山だったのよね~。
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/19_mucha/

展示作品もチラチラ拝見できる♪

で、先日の中之島香雪美術館の前半の記事を書いたとき
頭にあったのがこの美術展のことで、
この東京のBunkamuraザ・ミュージアムの公式HPの作品紹介にあるように
色々なアーティストがみーんなミュシャをインスパイアして
アレンジしてる訳なのですが、
こういったのとパクリの線引きが…ムズカシイ!

…って、みんなが知ってる作品が対象ならインスパイアとかオマージュと認めてもらえそうだけど、
無名の作家の作品だとどうなのでしょうね??
「友達の〇〇ちゃんの作品が好きなので〇〇ちゃん風に描いてみた」なんてのはね?
しかも事情に疎い人がこのSNS全盛の時代に鬼の首とったかの如くパクリ発見みたいに攻撃して尻馬に乗る人が増殖していったりしたら…面倒くさいワ~~!

もう一つ気になるのが資料としての扱いで、
どこまでが参考と認められるのかパクリと言われちゃうのか?
例えば、安土桃山時代の絵師が南蛮屏風を描くのに見たことのない象を描こうとして
西洋人の描いた象の絵を傍に置いて、視点やパース、ポーズの違う絵を描いたら…?

オーディエンスとしては好きなアーティストが
別の好きなアーティストをオマージュした作品を発表してくれたらとっても嬉しいんですけどね♪

…ということで、今回はミュシャ作品以上に
影響を受けた作品を拝見するのを楽しみに伺ったわけですが…。

感想はもっと見せろーーー!でしたw
「みだれ髪」の表紙で有名な藤田武二や
ポスターが魅惑的な初期の北野恒富らに代表される明治期の画家と、
やっぱ少女漫画家への影響を楽しみに伺った訳ですが、
ちょっと少ない。。(まあスペース上の割合からすると仕方ないのですが)

一番のお楽しみは山岸凉子さんの作品だった訳ですが、
えっ…これだけ?と、ちょっとがっくり。。
でも、取り上げられていたのが自分の馴染みのない時代のレアな(わたくし的に)作品だったということは、
期待していたミュシャ体形の女性や菩薩のような作品がバンバン並ぶことより、
寧ろ有難い計らいと感謝すべきなのでしょうね。

少女漫画エリアでは山岸さんのことしか念頭になかったわけですが、
唯一ちゃんと読んだ覚えのある作品が、古本屋でみつけたハードカバーオペラやバレエの舞台を観ているかのような「ホフマン物語」の水野英子さん、
それほど読んだわけではないけど、一番好きと思えた作品の印象的なシーンが採用されていた花郁由紀子さんにも
ミュシャの影響があったというのは意外でした。

…ということで、もっとあるだろー!もっと出せー!!が主な感想ですが、
一応これは「裏切られなかった美術展」に入るでしょうか。

キホンつまんなかった美術展については触れてはこなかったわたくしなのですが、
実はこんなタイトル思いついてしまったのは、「裏切られた美術展」がありまして…。

それは「ウィーン・モダン クリムト、シーレ世紀末への道」展。
「〇〇とその時代展」には気を付けろ(〇〇の作品より周辺作家の作品が多かったりする)とか、
美術展のポスターって展示の全容を印象付けているのではなく、その内の特異な作品にスポットを当てていることが案外多い、
なんてことを百も承知だったわたくしでしたが、
これほどのクリムト押しのヴィジュアル告知であの作品量は…
久々の詐欺に遭った感?!ww

確かにタイトルはその通りで、
「ウィーン・モダン」&「クリムトやシーレ等に代表される世紀末への道」をテーマにはされてはいたのですが、平ったく言うと「マリア・テレジアの宮廷文化からセセッションまで(クリムトも含まれてるよ)」といったところでしたでしょうか。
まあそれでも、タイトルはOK?タイトルは嘘を言ってない。
…でもこのポスターはないでしょ?![むかっ(怒り)]
画像

昨年はオットー・ヴァグアー、シーレ、モーザー、クリムトの没後100年で
ウィーンはクリムトはヴァーグナーの回顧展で盛り上がっていて(狙ってた訳ぢゃなくたまたまクラノスケの勤続5の倍数年が当たっただけなんだけど)、
こちらの展覧会でもヴァーグナーに焦点が当てられた嬉しいコーナーもあっただけに
この告知ポスターは残念!
他の優れたウィーン・モダンの作家をあまりに軽視しすぎでは?!
ウィーン・モダン展ということで行ったなら、「ほーっクリムトも来てる[黒ハート]」とむしろ大喜びしたかと。

…というか、Twitterでフォロワーさんたちが絶賛していた他の「クリムト展」と混同していたわたくしがバカだったというのもあるのですが[あせあせ(飛び散る汗)]
https://klimt2019.jp/




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裏切られなかった美術展 続き [趣味関係]



わたくしがヨーロッパの中で一番身近に思えるというか馴染めるというかまったり出来そうな国といえば…ポルトガル!
町にマカオにルーツを持ってそうな東洋人や中華料理店をよく見かけることもその要因かもしれませんが、
美術館や観光名所で日本の文物や日本美術の影響を受けているインテリアを見ることも多々。
わたくしが一番スゴイと思ったのはコインブラ大学の図書館で、
これは明らかに蒔絵というか漆塗りにインスパイアされた作られた装飾?(模製漆器というらしい?)
ビバ・マキエ! ビバ・ウルシ!

実のところ余程の大名道具でもなければ
漆器や蒔絵にさほど愛を感じないというか、
日常使いのものは家庭内や巷に溢れてて、実用品として目になじみすぎ、新鮮さの欠片も感じられなくなってしまっているのですが(モダンデザインはお好みじゃないし)、
南蛮向けをに作られた作品や、
少々稚拙でも西洋で作られた意匠ってなんだかとても新鮮に感じられるし、
一生懸命まねっこして近づこうと精進しているところが何とも健気[ぴかぴか(新しい)]
(アニメ好きのクール・ジャパンに通じるものがあるかも?)

日本でだとそれほどお好きじゃない大陸のハイカルチャー的憧れイメージのある螺鈿も
螺鈿、螺鈿、螺鈿って埋め尽くすように使われていて、螺鈿過ぎて主張してない感じがお好きw

漆絵はじめ、そんな文物もいくつか展示されていて、
やっぱりお好き[黒ハート]と思いを新たに。

トールペイント?と思えるような花やバロック調の文様が描かれたデザインもあれば、
シンメトリーで躍動的ではないルネサンスぽいのも。
わたくしとしてはやっぱりイエズス会とかが関わった時代のものがお好みかしら~♪


そして、ここの美術館って初めて入ったのだけど、
館内には創設者にまつわる展示コーナーや御影のお屋敷の茶室や洋室のレプリカもあり、
ありりっ、これは見たような…と思ったら、今年の3月にクラノスケと本家御影の庭園特別見学会に参加していたのだったワ~!
その時見られなかった洋館の一角が再現されていたのだけど、
うん、細部にまで目を行き渡らせ、拘った上質の素材と一流の職人の技で作り込まれたお金持ちのお屋敷といった印象。
ちょっとしんどくなりそうなほどがっちり構成され、仕事の甘さが見受けられないw
ま、居宅とはいえ来客用の場所なのだろうと推察されるので、素晴らしいとしか言いようはないのですが、
これが居間だとパジャマでうろうろなんて出来なさそうだワw

ということで、高率で好物が詰め込まれた素敵な美術展でした[黒ハート]





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裏切られなかった美術展 [趣味関係]



タイトル「裏切られなかった美術展」って…w
つまり中身が期待と同等かそれ以上だったってことですわよね。
少し前危険、やばそうと思って覚悟して行っても予測以上に期待とは異なる内容だったこともあって
ご馳走様な美術展に出会えると嬉しいものです。

しかも満腹ゲプッというより腹八分目の丁度良さ、
好物の占める割合が高いというのは有難いことでございます♪

きっかけはたまたま。
Twitterでフォロワーさんがあげてらしたのをおみかけして、
出かけたついでに時間があるし、近所だし、きょうは一日乗車券持ってるし、で
気軽な気持ちでささささ~っと。

都会のビルの中の新しい美術館。
kouryuu.jpgHPから勝手に拝借

ざっくりというと南蛮文化との交流展みたいな感じでしかね。

主に絵画と螺鈿漆器。

絵画は日本人絵師が描いた安土桃山時代の洋風の大屏風絵等をメインとしたもので、
手法やモチーフが西洋風。
ポスターの絵もそこから切り取ったものなのですが、
これを見る限りではてっきり南蛮の国からもたらされた文物と思っておりました。

描線がメインの日本画とは違い、
ちゃんと陰影のある写実的な絵も描かれていたことにちょっと驚き!
しかもそれが本家とさほど遜色のない出来栄えであることにもびっくり。
未知のものばかりなのに!と思ったけど、
現物や状況を西洋人も目の当たりにして写生してる訳じゃないし。
双方ともに稚拙なところがあってもご愛敬?

モチーフの一部には西洋からもたらされた洋書や銅版画を参考にしているということで、
本家の展示もあったりして、
興味深く見ることが出来ました。


この種の展示を見るとき昨今考えさせられるのが今時の「盗作」問題。
「模倣」とか「オマージュ」とか「著作権侵害」とか色々…。

私は「〇〇風に××してみた」という作品が大好きなのだけど、
これねー、線引きが難しすぎて、とても語れないワww

でも誰もが知ってる作品で、金銭的な儲けがなく、
明らかにリスペクトしてアレンジしているのであれば
やたら「盗作」と叩くような風潮はどうかと…。
そういう人たちはこのような屏風を見たときもそういう方向からの目で見てしまうのしらと考えてしまいます。

西洋という未知の文化の扉が開かれ、憧れ試そうと挑んだ安土桃山の絵師の心意気みたいなのに賛辞を贈りたいとしか思えないのだけど、
元絵を描いた西洋の画家にとっては
著作権侵害、販売差し止め、損害賠償請求みたいなことになるのでしょうかね?
うーん、うーん、、、???

まあとっても無粋な話になってしまいましたが、
少し前、着物の柄に関して、盗作問題がSNS上で取り上げられていたことがあり、
ちょろ~~っと考えてみたという。

確かに絵画やデザインとしてみるならば問題となるレベルのものではあったのですが、
アンティーク着物に馴染みが出来てくると
展覧会の展示や骨董市の販売ではよく似た意匠(絵羽でも小紋柄でも)をみかけることがしょっちゅう。
あ、私の持ってる古布とそっくり!というようなものもあちこちで。
多分当時の流行りだったのでしょうね。
着物の場合は形が同じなので色と柄が、
洋服の場合のシルエットや素材感、アイテム等が、
流行のスタイルを形成する素材となることと思われます。
でも、コレクション発表前のデザイナーの作品でもなければ
大衆に行き渡ったものをパクリだ盗作だと叩かないのはなぜ??

今回の騒動はアウトだったけど、
一般的に伝統的な絵柄を受け継いでいることの多い着物の柄を洋服のスタイルに近いものとみるなら、
著作権に触れる触れないの線引きはどこに?ということをちらっと考えてしまった騒動でした。


…ということで、ちょっと他人事とは思えなかったわたくしは
オマージュ、リスペクト、パロディ好きで
これってちょっと冷や冷やものの問題という訳で…。

西洋への憧れから西洋画に果敢に挑戦する絵師に共感、賛辞を贈りたい気持ちは大。
真似された西洋人の画家も「ほーっ、東洋人頑張るやないか」ぐらいにしか思ってないと思うのですが。
印象派の画家に真似された浮世絵師だって著作権侵害とは言ってないと思うし、
これが真似だからといって叩いた人は当時いなかったと思うのでしよね。
ということで、なんでだろ~?なんでだろ~?なわたくし。
(どっかで何か読めば解説してくれてるんでしょうね)

ということで、脱線のまま次回に続く~。








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